めくりカレンダー







「・・・おい千石、サボんなよ」
「なんだよー、オレは今まで感傷にひたってたの!」

ドアを開ければラケット片手に現れた、我らが部長南サマ。南はオレを押しのけて、救急箱に手を伸ばす。誰かが怪我をしたらしい(でも南に慌ててる様子はないから、大したことないんだ多分)(ていうかオレのことはどうでもいいの!)。

「お前さー、他になんも思いつかないわけ」
「は、他にって何。とりあえず夏男は目指すけどね!」
「そうじゃなくて・・・もういい」

南は心底呆れたようにオレをみてから溜め息吐いた。夏の似合う男になってやる。あの雑誌の男みたいに日焼けして、ニヒルに笑ってやる!そんなオレを南は呆れているのか不憫に思っているのかよくわからない目で見つめた(南に同情なんてされたらおしまいだ)。

「残りの29日と10時間で、オレはこの運命に打ち勝ってみせる!」

拳を掲げて豪語する。どんなに南に呆れられても、それでも懲りずに日めくりカレンダーとサシで対峙しているこのオレは、相当諦めが悪いらしい。南はそんなオレを冷ややかな目で見つめた後で、部室を出て行く直前にひとつの解決策を提示した。

「そんなんだったら会いにいきゃーいいだろ」
「・・・! 南ちゃん! 天才!?」
「ていうかおまえバカ?」





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200407...夏色お題05より。アンラッキー千石を書きたかった(そして撃沈)。