しあわせになりたい、頬杖をついてそう呟いた彼女の瞳はこころなしか虚ろなかんじがする。なんでかなあ、 「しあわせになりたいの? undefined」 「うん、しあわせになりたいの」 左手で頬杖をついて、彼女の右手に握られているピンクのシャーペンはくるくるまわっている。俺はひそかにundefinedのピンクのシャーペンがすきだったりする。欲しいって言ったら文房具屋さんで売ってるよ、525円もしたけどじろちゃんもこれ買ったらおそろいだね、なんてのんきな、それでいて的外れな答えが返ってきたときにはもう寝るかとおもった。寝なかったけど。ちょっとそれって奇跡的だよね。でも俺、undefinedがとなりにいてくれたらいつまでも起きていられるよ。安心してぐっすり眠ることだってできる。忍足にそう言ったらお前はどこでも眠れるやろ、なんてラケットで頭を叩かれた。忍足くん、俺が言いたいのはそうゆうことじゃないのですよ。まったく、俺のまわりはどこかズレてる人たちばっかで会話に困る。てゆうか、忍足くん、ラケットはもっと大切にあつかいましょう。 「じろちゃん、今何問目ー?」 「んー、に問目ー」 いち問目はundefinedの写したんだけどね。undefinedって見やすくてきれいな字を書くから写しやすくてすきだなあ。 「でもさあ、豆もあんな怒ることないよねえ、ちょっと寝てただけなのにさー」 ちぇってundefinedはくちびるをとがらせてスネた。確かに俺もあの数学教師(学校へ行こう! の尾崎豆に似てる。女だけど)はかりかりしすぎだとおもう。今日もundefinedと俺は教科書よりも分あつい問題集で頭をひっぱたかれたあげく、こうして特別課題のプリントとやらをプレゼントされた。ちっともうれしくない。期限は今日の放課後だそうだ。 「ねえじろちゃん、部活はー?」 「かんとく今日はこないってー」 跡部にはちって舌打ちされたけどね。でも俺は部活よりもこっちのほうがだいじだもん。undefinedとふたりきりで過ごすうららかな午後、なんておいしいシチュエーション。 あー俺いますんごいしあわせかもしんない。 うららかな午後のひざしが目にまぶしいです。季節の変わりめ10月下旬、昨日とかわってぽかぽか陽気、あたたかい教室、となりにはきみがいて、プリントは真っ白で。 「ねえじろちゃーん、プリントやんなきゃ帰れないよー」 だけどプリントは真っ白でもきみは俺がこのプリントを終わらせるまで、きっととなりにいてくれるだろうから、ここはあえて寝てみようかなあ。たまにはこんな日も悪くない。 「undefinedー」 「んん、なにー?」 「俺ねーundefinedがとなりにいてくれたらしあわせだよー」 へへって笑ったらundefinedはじゃあわたしもしあわせだーなんて言ってへへって笑った。undefinedのプリントも俺のプリントも真っ白なままだけど、しあわせになりたいって言ってたundefinedがしあわせになれたからとりあえずそれだけでいいや。 なんだかしあわせでうれしい気分なので、ついでに眠気もおそってきたので、このまま眠ってしまおうかとおもいます。それでもきっとundefinedは、ずっと俺のとなりにいてくれるだろうから。 「ねえねえ、プリントできたらおこしてね」 「しょーがないなあ、じろちゃんはー」 にっこり笑ったきみの顔がぎゃっこうで眩しいです。こうやって眠ったら目がさめたときにいちばんに見るのはundefinedだね。しあわせな気分で目をつぶる。 どうか、夢のなかでもきみにあえますように。 BACK 20040322...じろたん。暗くないよ珍しく…!(感動)ちなみにタイトルに意味はありません(!)。 |